2022年08月19日

ついしたくなる!仕掛学!

皆さん
こんにちは。
ウィジードッグクラブ本部の加藤です。

以前のブログで「ナッジ理論」について触れたことがありました。
今回はナッジ理論と似て非なる考え方「仕掛学」についてご紹介します。

仕掛学はまだまだ新しい学問領域で、大阪大学の松村真宏教授が提唱するものです。仕掛学とはどのような考え方なのかというと、例えばこのような話があります。

”街かどにゴミ箱が2つ、置かれていたとします。1つはごく普通のゴミ箱、もう1つのゴミ箱の上にはバスケットボールのゴールがセットされています。もし、そのとき自分がゴミを手にしていたら、ついゴールのある方に入れたくなりませんか。”

なんとなくイメージが湧きますよね。単純な仕掛ではありますが、自然と行動の誘導がされる状況になっています。他にもたくさんの事例がありますので、興味のある方は調べてみてください。

仕掛学の特徴として松村教授はこのように語っています。
「仕掛けは選びたくて選んでしまう行動を生み出します」
これこそが、ナッジ理論との違いだともいいます。ナッジ理論は、選ばざるを得ない状況を作ったり、社会的なプレッシャーをかけられることにより、対象者の行動を変容していきます。対して仕掛けは、対象者がついやってしまう、やりたくなる状況を作り出すことによって、行動変容を促していく考え方です。

以前のブログでも書きましたが、私は人の行動を変えることは簡単ではないと思っていました。でもちょっとした工夫(仕掛け)で良い方向に行動を変えることができるのなら、それは素晴らしい事だと思います。
仕掛けは対象者がやりたくなることが大切です。つまり「ワクワク感」とか「ドキドキ感」が必要なのかなと思います。もっと大雑把に表現するなら「気軽に挑戦できるゲーム感覚」といった感じでしょうか。
これは飼い主の行動変容にも役立つと思います。私たちトレーナーや訓練競技に出る場合は例外もありますが、一般家庭で暮らす犬と飼い主には、遊びを取り入れることで問題が解決することもあります。多くの場合、関わりが希薄になっていたり、関わり方が間違っていることから、問題が発生していることがありますので、遊びを通して良い関係に戻していきます。そんな時につい”遊び方”から考えてしまうことがあります。でもそれは間違いで、”どうやったら遊ぶか”を考える必要があるのかもしれません。「目的の二重性」つまり、トレーナー(犬と人を良い関係にする)と飼い主(遊びたい)の目的は異なっている方が本来の目的を達成しやすくなるのでしょう。

ドッグトレーナーの役割の一つに、飼い主の行動を変えるという難題があります(笑)。でもそれはとても大切なことで、飼い主の主張を否定するだけでは、良い結果が得られないこともあります。皆さんも経験があると思いますが、犬とトレーニング中に「犬に成功体験をさせましょう」と言われると思います。それは人も同じだと私は思っています。うまくいった事は印象に残りますし、次もやろうという誘因になります。その一歩目は簡単なものでいいんです。その一歩目を踏み出すための手がかりが、仕掛学にはあるような気がします。


posted by Wiz.dog Club at 12:00| 思うこと