皆さんこんにちは。
ウィジードッグクラブの加藤です。
先日東京農業大学の増田宏司先生に講習会を実施していただきました。
テーマは「犬の気持ちやココロに関する講習会」です。
増田先生の専門は動物行動学で多数の本も執筆されいます。実際にしつけ教室も開催するなど精力的に活動されています。
私も以前から、増田先生の本を読んでいたのでとても楽しみにしていました。
講習会では最新の科学研究について解説や、増田先生がしつけ教室で気をつけていることなどを分かりやすく説明していただきました。
中でも印象的だったのは「属性」の話ですね。
(犬の話じゃないんかい!と言うツッコミがきそうですが(笑)最新の科学研究のお話はまた別の機会にさせていただきます!)
増田先生曰く、人は様々な属性を背負っている。だからこそ、それを意識してコミュニケーションをすることが大切だということです。
増田先生の属性は……
「大学教授」
「獣医師」
「しつけや行動治療の専門家」
「本を出してる」
「メディアで見る人」
という属性があってお客様からすると「叱られるかも」とか「忙しそう」という印象になるそうです。だからその属性を取っ払うことができるように意識されているそうです。
この属性という話は人はもちろん「犬のしつけ」という概念にも当てはまるものだなと感じました。
一昔前の犬のしつけは「犬には厳しく厳格なリーダー(アルファ)が必要である」という考えが一般的でした。場合によっては犬に嫌悪刺激を与えることで行動矯正をすることもあったかと思います。現在はその考えが間違っていることを多くの方が知っていますよね。ほとんどのしつけ教室が犬への強い嫌悪刺激を使わないようになっているでしょう。
しかし一般の愛犬家と接しているとまだまだ「犬のしつけ」が持つ属性に違和感を感じることがあります。
「犬に言うことを聞かせる」
「犬を人の思い通りにコントロールする」
こういった属性を感じることがあるんです。
犬にココロがあることは多くの方が感覚的に理解していると思います。科学研究によって徐々にそれも証明されてきています。それでもなお、犬のココロを無視した考え方がまだまだある事が残念に感じることもあります。
例えば自分の身近な人(子供やパートナー、会社の部下、同僚など)とコミュニケーションをとる時に「相手をコントロールしてやろう!」と思ことは少ないと思います。相手に納得してもらう為には、相手のココロを推測って色々と工夫をすると思います。これは犬に対しても同じことではないでしょうか。
「犬のしつけ」と言う概念が持つ「属性」をどうすれば取っ払うことができるのか!
ドッグトレーナーの端くれとして考えなければいけないなと感じました。もしこの属性をなくすことができれば日本の動物福祉もよりよくなっていくのではないかと思います。